家・アパート等を建て替える際や古屋付きの土地を購入する際に、
どうしても通らなくてはならない道。
それは解体工事です。
壊すためにお金は出来るだけ掛けたくない。
皆さんが思うことです。
ですが、家の解体工事でも壊すためには人の力が必要ですし、廃材の処分も必要です。
解体費用を0円にすることは難しいのが現状です。
むしろ、処分費用や職人の最低賃金は年々上がっていますし、解体工事の規制も年々厳しくなっており解体費用は増加の一途をたどっています。10年前と比べて2割増加しています。
ただ、安く一軒家を解体する方法もあります。
相見積もり(解体費用を他社と比べる)を取ることです。
ただ、外国人業者(すべての方が悪いわけではありません)には注意が必要です。詳しくはこちら▼
ここでは、解体業者歴10年以上で資格保持者のMr.キングが物価高による解体工事費用の影響!一軒家の解体工事費用は10年間で2割増!安く解体する方法!
について詳しくご紹介します(^^♪
詳しくはプロフィール▽

解体工事費用の計算
解体工事費用は坪単価で表すことが多いです。
坪単価とは、1坪(約3.3㎡)当たりの費用になります。延べ床面積(家の床の面積)1坪当たり〇〇円といった感じで表されます。
厳密にいうと、
- 一軒家の解体に係る大体の日数×一日当たりの作業員の人数とお給料(人件費)
- 一軒家の解体に係る大体の日数×一日あたりの重機の使用料(ガソリン代等)
- 一軒家の解体に係る大体の廃材の量×廃材の処分費用(品目によってお値段様々)
- 一軒家の解体に係る大体の廃材を運ぶダンプの台数×1往復当たりのダンプの運搬料(ガソリン代や高速代等)
プラスで、大体の保険代や会社運営費等の会社利益が乗っかてきて総額の解体費用が計算されます。
解体費用の総額を1坪当たりで割った金額が坪単価です。
坪単価も状況によって変わります。
狭小住宅(駐車場がない住宅)のような狭い土地の一軒家の解体だと、大きい重機が入らないため、人の手で壊すことになります。工期が増えて人件費が増します。

処分費は品目によってお値段が変わり、細かく分別すると安く処分ことができますが、その分工期が増えて人件費が増します。逆に分別を諦めて解体すると早く解体ができるので、人件費は安く済みますが処分費は高くなります。
2025年現在の坪単価は解体しやすい解体現場で
- 木造建物 坪単価/4.0万円くらい
- 鉄骨造建物 坪単価/4.5万円くらい
- RC造建物 坪単価/5.0万円くらい
になります。
木造一軒家で延床面積30坪だと大体120万円税別くらいです。
解体工事費用の推移
解体工事費用は10年前と比べて2割増加しています。
私が解体業者として働き始めたころの坪単価は大体
- 木造建物 坪単価/3.2万円くらい
- 鉄骨造建物 坪単価/3.5万円くらい
- RC造建物 坪単価/4.0万円くらい
でした。
木造一軒家で延床面積30坪だと大体100万円税別いかないくらいです。
当時の見積書は社外秘のためお見せできませんが、今でも当時の単価を更新していないHPは沢山あります。
さらに、遡る25年前くらいは、木造建物 坪単価/2.5万円くらいの時代だったそうです。
解体工事費用が上がった要因
要因はいくつもあります。
主な要因は、
- 最低賃金の上昇
- ガソリン代等の物価の上昇
- リサイクル等の規制の強化
になるかと思います。
最低賃金の上昇
2024年10月~2025年9月30日ごろまでの最低賃金の全国平均は、1,055円です。
職人は休憩別の8時間勤務です。
職人はもっと高い給料ですが、8時間勤務で8,440円。
30坪の木造一軒家は一日4人の職人で大体10日間の工期。
つまり、人件費の最低は337,600円です。(※最低賃金であり、実際の職人のお給料ではありませんし、オペレーターや資格者はもっと高いです!)
一方、2015年(平成27年度)の全国加重平均の最低賃金は、時間額798円でした。
8時間勤務で6,384円。
30坪の木造一軒家は一日4人の職人で大体10日間の工期。
2015年の人件費の最低は255,360円です。(※最低賃金であり、実際の職人のお給料ではありませんし、オペレーターや資格者はもっと高いです!)
最低賃金だけで約8万円の差になっています。
ガソリン代等の物価の上昇
2015年12月時点のレギュラーガソリンの全国平均は 122.8円
2025年1月6日時点のレギュラーガソリンの全国平均 180.6円
ダンプトラックや重機は軽油のためそこまで高くはないですが、
レギュラーガソリンで単純に3割強の違いがあります。
また、単純にダンプトラックや重機の購入費用もだいぶ上がっています。
廃材の処分場の処分単価も燃料や人件費の影響で値上げをしています。
リサイクル等の規制の強化
建設リサイクル法が2000年5月31日に公布され、2002年5月30日に本格施行されました。
2002年以前はリサイクルが浸透していなく、法律の規制がありませんでした。
よって、一軒家の解体工事は早さが勝負でした。
30坪の木造一軒家は3日ほどで完了していたそうですw
人件費で最低賃金は時給659円でしたので、合計人件費が21,088円w破格です。
当時の法改正直後は処分費を安くするために、重機やダンプの置き場で廃材を燃やしていたそうですw
悪質になると、解体工事現場の地中に埋めていたそうですw
現在でも一部の業者は行っています。詳しくはこちら▼
そこまでではないですが、年々規制が強化され木造一軒家の工期は伸びていき人件費も上がっていきます。
現在では内装も人力で解体してから、重機で解体します。

また、最近だとアスベストに関する法改正は、2021年から段階的に行われており、2023年10月1日以降に改正が加えられました。
昭和の木造一軒家は、いたるところにアスベストが使われていました。
代表的な住宅建材だと屋根材です。
スレート屋根と言われる屋根材にはアスベストが練りこまれて形成されている場合(※現在は法律によってアスベストの使用が禁止されています)があります。

スレート屋根が使われている場合は、アスベストの処分費が大体10万円プラスになります。
2023年からは外壁材までアスベストの規制(細かく言うともっとあります)が拡大しました。
外壁にアスベストが検出されると30坪の木造一軒家で、大体80万円プラスされます。
解体工事費用を安く済ませる方法
ただ一つ。相見積もり(解体費用を他社と比べる)を取ることです。
一つの業者のみだと適正な金額かどうかはわかりづらいです。
その適性を測るためにも、相見積もり(解体費用を他社と比べる)を取ることが大切です。
高すぎることもありますが、安すぎる業者にも注意が必要です。
解体工事の費用は原価があります。
原価を割っている業者もたまに見かけますが、からくりは不正な手段です。
不正な手段で勝手に解体業者が行ったことでも、発注者に責任が及んでしまうため注意が必要です。
大きなしっぺ返しを受ける可能性もあります。
まとめ
一軒家の解体工事費用は10年間で2割増!確かに増加しています。
ただ、昨今のSDGs等による規制や最低賃金の上昇等、アスベストの規制などは仕方がない事でもあります。
一つ言えるのは、これからも解体工事費用も建築費用もどんどん上昇することです。
値段が下がることはないと思います。
出来れば、早めに解体や住宅購入することをおススメしたいです!が、難しいのも現状です。
せめて、解体工事を行うことが決まった時点での相場をしっかり知ることは大事です。
そのためにも相見積もり(解体費用を他社と比べる)を取ることはとても重要です。
少しでも解体工事費用が安く済めば、その分家具や住宅オプションに予算を回せます。
悪徳業者に騙されない程度に、相場の中でできるだけ安く解体ができれば幸いです♪
解体業者に興味があれば是非こちらも読んで頂ければ嬉しいです▼
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