解体業者はガラが悪い。怖いイメージがあります。
今でもヤクザと繋がっているのでは?
と思う方もいると思います。
実は昔は一部でヤクザと繋がっていたようですが、現在ではヤクザとの繋がりはありません。むしろ、現在では意外に繊細な仕事で、職人はプロ意識が高くまじめな方が多いです。
では、なぜヤクザと繋がるイメージが定着してしまったのでしょうか?
時代背景や人材不足が影響していました。
ここでは、解体業者歴10年以上で多数資格を保持した経験から
解体業者はガラが悪い!ヤクザと繋がっている?歴史からひも解く関係性!
について詳しくご紹介します(^^♪
詳しくはプロフィール▽
職人のガラが悪いと思られてしまう理由はこちら▼

解体業者の歴史
解体業者の歴史は意外と新しく、専門業種として確立されたのは明治初期(約150年前)とされています。それまでは、建物の解体は専門職ではなく、大工や鳶職人が行うか、家族や地域の人々で行うものでした。
解体業の誕生(明治時代)
解体業が専門的な業種として誕生したのは明治初期(1870年代頃)といわれています。この時代に解体業が生まれた背景には、以下のような社会的要因がありました。
- 大名屋敷の売却:明治維新後、倒幕とともに大名の経済力が低下し、所有していた大規模な建物や屋敷が売りに出されるようになりました
- 木材不足と高騰:当時は新築用の木材が不足し、価格も高騰していました
- 資材の再利用ニーズ:既存の建物を解体して得られる「古材」に価値があり、これを「建前(たてまえ)」として販売する商売が生まれました
解体された材木は貴重な資源として再利用され、解体業者は単に解体するだけでなく、古材を販売することで利益を上げていました。当時の解体は現代のような環境配慮型ではありませんでしたが、資源の再利用という点では先進的な一面もありました。
戦後の解体業(昭和時代)
第二次世界大戦後、特に東京大空襲(1945年)によって多くの建物が焼失し、木造解体の仕事は一時的に減少しました。しかし、戦後の復興過程で新たな解体需要が生まれました。
- 戦後10年間:鉄骨造倉庫などの解体が中心となり、解体業を存続させました
- 復興期の役割:戦災で崩壊した建物や老朽化した住宅を取り壊し、使える資材を最大限活用するため、解体作業は効率的に行われました
- 高度経済成長期(1955年~1973年):都市の再開発が進み、解体工事の需要が増加。鉄筋コンクリート造の解体も本格化
この時期には、手作業中心だった解体方法から機械を活用した解体へと技術も進化していきました。

近代化と法制度の整備
解体業がより専門的な業種として認識され、法制度が整備されていく過程も重要です。
- 建設リサイクル法の施行(2002年・平成14年)
- 資源循環の観点から制定
- それまで行われていた「ミンチ解体」(分別せずに一気に解体する方法)が禁止され、「分別解体」が義務付けられました
- 特定建設資材(コンクリート、アスファルト、木材)のリサイクルが義務化
- 解体工事業の独立(2016年・平成28年)
- それまで「とび・土工工事業」に含まれていた解体工事が、建設業法上の業種として「解体工事業」が新設
- 500万円以上の解体工事を請け負うには、新設された「解体工事業」の建設業許可が必要に
- 500万円未満の工事は「解体工事業登録」で可能となりました

解体業者とヤクザの関係性について
「解体業者とヤクザが関係している」という噂については、一部に事実関係もありますが、業界全体を一般化するのは正確ではありません。
関連が指摘される背景
- 歴史的背景:
- 高度経済成長期、建設業界全体で暴力団が関与する事例が見られた
- 建設現場での労務提供や資材調達などで暴力団組織が介入することがあった
- 就労の受け皿としての側面:
- 刑期を終えた元暴力団員が就労しやすい業種の一つとして解体業があった
- 前科のある人でも雇用されやすい労働集約型産業だった面がある
- 利権構造:
- 過去には解体工事の受注や下請け構造の中で、暴力団が利権を得る構造があった地域も
現在の状況
- 暴力団排除条例の制定:2011年以降、全国で暴力団排除条例が施行され、建設業界からの暴力団排除が進んでいる
- 業界の浄化:建設業法の改正や入札制度の改革により、暴力団関係者の参入障壁が高くなっている
- イメージと実態の乖離:多くの解体業者は真面目に事業を営んでおり、過去の一部事例に基づくイメージが先行している面がある

現代の解体業
現在の解体業界は、環境規制の強化や技術の発展により、かつてのイメージとは大きく異なります
現代の解体業は、環境への配慮や安全性の向上、効率化などを重視した業種へと発展しています。
- 環境配慮:アスベストなどの有害物質への対策、騒音・振動の抑制、廃棄物の適切な処理とリサイクル
- 技術の進化:重機の発達、解体ロボットの活用、遠隔操作技術の導入
- 専門性の向上:資格制度の整備、技術者の育成
このように、解体業は明治時代に資源再利用の必要性から生まれ、時代とともに技術や制度が整備され、現在では建設サイクルの中で欠かせない専門業種として確立されています。
建物を単に壊すだけでなく、資源の循環や環境保全に配慮した業種へと進化してきたことが、その歴史からわかります。

まとめ
解体業界全体を暴力団と結びつけるのは適切ではなく、現代では法令遵守と専門技術を持った多くの真面目な事業者が活躍しています。
過去の一部の事例や噂に基づくイメージが、今なお残っているという状況です。
私も現在解体業者として働いていますが、確かに解体業者の経営者の方の中にも前科がある方はいらっしゃいます。
ですが、しっかり更生して解体職人として長年の経験から技術を磨き、確かな技能と知識を持った方です。
努力の賜物です!

現在の解体業界は法律の規制がかなり厳しく、技術やコンプライアンスに疎い方は淘汰されています。
以外に、建てる方よりも解体する方が規制が多いかもしれません。
自然と一部のヤクザと繋がっていた解体業者も生き残れなくなったのが現在かもしれません。
少しでも参考になれば幸いです♪
解体業者の営業はいろいろな体験ができますw解体業者についても是非読んでいただければ嬉しいです▼
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