何かと話題になるごみ屋敷。
どうしてごみ屋敷になってしまうのか?
ごみ屋敷の片づけ撤去費用はどのくらいになってしまうのか?
気になるところです。
片づけ撤去費用も数百万円掛かってしまうこともあります。
では、なぜ数百万円掛かってしまうのにごみをためてしまうのでしょうか?
ごみ屋敷は単なる不潔な環境ではなく、様々な心理的・社会的要因が複雑に絡み合って生じる現象です。
ここでは、解体業者歴10年以上の解体工事施工技士で一級土木施工技士が
解体業者が語る!ごみ屋敷家主が物をためてしまう理由と片づけ撤去費用!
について、家主がなぜごみをためるのか、撤去にはどのくらいの費用がかかるのか、また典型的な特徴を詳しくご紹介します(^^♪
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大量のごみ屋敷の片づけ撤去の体験
解体業者として勤務していると、解体とごみの片づけを一緒に依頼されることも多くあります。
その中でも過酷な現場がいくつかありました。
事故物件と重なったごみ屋敷
一番過酷な現場は事故物件と重なったごみ屋敷でした。ごみに囲まれるように布団が引いてあり、そのうえで亡くなっていたそうです。色々な臭いが重なっていたのか、とてもしんどい現場でした。
悪徳ブリーダーの夜逃げ物件
犬の糞尿やゲージが大量に放置されており、臭いもありましたがこの環境で飼育されていたと想像すると、とても悲しい気持ちになりました。
ごみ屋敷ではあるあるの『ションペット』は有名
ごみに埋もれているとトイレのドアが開きません。そこで、排せつは落ちているペットボトルにするそうです。ごみ屋敷には、大量の『ションペット』が発見されます。この処理も過酷を極めます。

ごみ屋敷家主がごみをためる心理的要因
心理的・感情的要因
孤独感や疎外感の補填
ごみ屋敷の住人は、しばしば深い孤独感や社会からの疎外感を抱えています。周囲に知り合いがいなかったり、家族や配偶者を亡くした経験から、物に囲まれることで心理的な安心感を得ようとする傾向があります。物が増えることで寂しさが和らぐという感覚があるのです。
物への過度の執着
「もったいない」という感覚や「いつか使うかもしれない」という思いから、物を捨てることに強い抵抗を感じます。小さな物でも過剰に愛着を持ち、「自分の物はひとつたりとも捨てられない」という心理状態になっていることが指摘されています。
自己正当化とあきらめ
仕事の忙しさやストレスを理由に、片付けなくても良いという自己正当化が働き、次第に「自分は片付けられない人間だ」というあきらめの気持ちが強くなります。
精神疾患との関連
ためこみ症(ホーディング障害)
ごみ屋敷化の背景には、精神医学的に「ためこみ症」と呼ばれる障害が関係していることがあります。これは物を捨てられない、あるいは捨てることに著しい苦痛を感じる状態を指します。ためこみ症の治療には認知行動療法が効果的とされていますが、治療意欲の低さから介入が難しいケースも多いです。
その他の精神疾患
うつ病、統合失調症、ADHD(注意欠陥・多動性障害)、認知症なども、ごみ屋敷化の要因となることがあります。これらの疾患により、片付ける気力や判断力が低下し、物の管理が困難になります。
社会的・環境的要因
生育環境の影響
幼少期からごみ屋敷のような環境で育った場合、それを「普通」と認識してしまい、問題意識を持ちにくくなります。
時間の不足
特に多忙な職業の方や不規則な勤務形態の人は、掃除や整理の時間を確保しづらく、徐々にごみが蓄積していきます。
生活スキルの欠如
ごみ出しのルールや掃除の方法など、基本的な生活スキルが身についていないことも、ごみ屋敷になる要因の一つです。特に独り暮らしを始めた若者や、高齢者に多く見られます。

ごみ屋敷の撤去にかかる費用
費用の相場
ごみ屋敷の撤去費用は、その規模や状態によって大きく異なります。
換算方法は1立米(1m×1m×1mの箱をイメージ)が大体12000円くらいです。
- 1R/1K(小規模): 8万円程度(6立米くらい)
ワンルームなどの小さな部屋で、比較的ごみの量が少ない場合 - 1DK~3LDK(中規模): 50万円程度(40立米くらい)
一般的なアパートやマンションの間取りで、ごみの量や種類によって費用が変動 - 4LDK以上(大規模): 70万円以上(55立米くらい)
戸建て住宅など広い間取りで、大量のごみが蓄積している場合
一般住宅の延べ床面積90平米くらいで、1mのごみが蓄積しているごみ屋敷だと90立米になります。
90立米のごみ片づけ撤去費用は108万円程度になります。
費用に影響する要素
撤去費用に影響する主な要素は以下の通りです:
- 間取りの広さ: 部屋数や総面積が増えるほど費用は高くなります
- ごみの量: 床から天井まで積み上がっているような場合は高額になります
- ごみの種類: 一般ごみに比べ、家電や危険物など特殊な処理が必要なものがあると追加料金が発生します
- 作業の難易度: カビや害虫の発生、悪臭がひどい場合は専門的な処理が必要となり費用が増加します
- 作業人数と時間: 多くの人員や長時間作業が必要な場合は費用が高くなります
100万円を超えるケースもありますが、これは3LDK(50平米くらい)以上の住宅でごみが2m以上積み上がっているようなまさにごみ屋敷のようなケースです。
費用を抑える方法
撤去費用を抑えるためには、以下のような方法が効果的です:
- 事前の整理: 可能であれば自分でごみの分別や整理を行い、業者に依頼する量を減らす
- 複数の見積もり比較: 複数の業者から見積もりを取り、料金体系を比較する
- 自治体の支援制度の活用: 地域によっては、ごみ屋敷の撤去に対する支援制度がある場合があります
- 段階的な清掃: 一度に全部ではなく、優先度の高い場所から段階的に清掃を進める
ごみ屋敷のごみのほとんどは、分別しごみの日に回収してもらえる物です。

ごみ屋敷あるある現象
住環境の特徴
床に物が置かれている
汚部屋の典型的な特徴として、床に物を直接置く習慣があります。これにより、歩行スペースが狭くなり、掃除機をかけることも困難になります。
特定の場所だけは綺麗
ベッド周りやパソコン周りなど、普段よく使う場所だけは比較的整理されていることがあります。これは「自分のテリトリー」だけを維持する心理によるものです。
生活動線の確保
極端なごみ屋敷でも、ベッドからトイレ、キッチンへの移動経路だけは確保されていることが多いです。
行動パターン
物事を後回しにする傾向
掃除や整理整頓、ごみ出しなどを常に後回しにし、「今度やろう」と先延ばしにする傾向があります。
衝動買いが多い
必要ないものでも衝動的に購入し、使わずに部屋に溜め込んでしまうパターンが多いです。
ごみ出しのルールを把握していない
地域のごみ出しのルールやスケジュールを把握しておらず、結果的にごみが部屋に溜まっていくことがよくあります。
社会的特徴
他人を家に入れない
自宅の状況を隠すために家族や友人を招かない、あるいは訪問されることを極端に嫌がる傾向があります。
衣服や体の臭いへの無自覚
ごみ屋敷の悪臭が衣服に染み込み、それに気づかないまま外出することもあります。このため、周囲の人は距離を取るようになり、さらに孤立が深まります。
家に帰りたくない心理
家の状態に嫌気がさし、できるだけ外で過ごそうとする傾向があります。これがさらに部屋の状態を悪化させる悪循環を生み出します。

ごみ屋敷から脱却するための方法
心理面からのアプローチ
- コミュニケーションの回復
孤独感を和らげるためには、人とのコミュニケーションを増やすことが重要です。家族や友人との関係を少しずつ修復し、社会とのつながりを回復することを推奨しています。 - きれいな環境の体験
一時的にでもきれいな部屋や環境で過ごすことで、整理整頓された生活の心地よさを実感できます。これがごみ屋敷脱却の動機づけになります。 - 専門家によるカウンセリング
ためこみ症などの精神疾患が疑われる場合は、精神科医や心理カウンセラーによる専門的なサポートが効果的です。認知行動療法は物への執着を和らげるのに役立ちます。
実践的なステップ
- 小さな一歩から始める
生ゴミなど明らかに不要なものから処分を始め、徐々に範囲を広げていくことが効果的です。 - ゴミ箱の設置と使用習慣の確立
適切な場所にゴミ箱を設置し、日常的にゴミを分別する習慣をつけることが重要です。この単純だが効果的な方法を推奨しています。 - 専門業者への依頼
状況が深刻な場合は、専門の清掃業者に依頼することも選択肢の一つです。プロの力を借りることで、短期間で大きな改善が見込めます。 - 自治体のサポート活用
多くの自治体では、ごみ屋敷対策のための相談窓口や支援制度を設けています。経済的な支援や専門家の紹介など、様々なサポートが受けられる可能性があります。

まとめ
ごみ屋敷は単なる「怠惰」の結果ではなく、心理的・社会的・医学的な要因が複雑に絡み合った現象です。
家主がごみをためる背景には、孤独感や物への執着、精神疾患など様々な要因があり、それぞれに適した対応が必要です。
いろいろな原因がありますが、撤去費用は数万円から数十万円と幅広く、数百万になってしまうこともあります。
ごみの日に少しずつでも処分を進めることで費用を抑えることができます。
少しでも参考になれば幸いです♪
ほかにも解体工事を安くする方法も是非読んで頂ければ嬉しいです▼
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